tryしない医学記録

114回医師国家試験受験者が電子書籍・デジモノ・勉強について書きたいことを書くブログ

積読の民でも1年目にさすがに読んだ・使った研修医の本紹介

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1ヶ月に一記事あるかないかがデフォになってすいません。

昔々わたしは以下のような記事を出しました。
www.no-try-medical.com


よっしゃ読んだろ、とその時は思ってました。

が、読めないものは読めない。

というか読む気がでない
(まぁ他にもいろいろあったんですが)

ということで読まないものもたくさんあった印象です(その記事に限らず色々買ったりしましたが)


今回はそれでもさすがに読んだり使ったりとためになった本を紹介します。

はじめに


やはりローテごとにないかしら診療のために必要だろう。最低限1冊くらいは持っておこう。

そう思い続けてはや1年。
それを達成したのはだいたい最初の2,3ヶ月くらいでした。


いつのまにか時は流れて行きました。残念ながら。


もちろん読もうと思えば読めたのは事実ですが、

「これ1冊通読して果たしてその知識はどこまで今後に生かされ続けるのだろうか」
「そもそもわれわれがこの期間中に必要な知識は救急+病棟管理+αくらいなのでは」


そう思った結果どこまでやりゃあいいのかよくわからずなあなあと時間を過ごしてしまった印象です。


ここらへん難しいところですが、個人的には今の考えだと今後使わないものは切り捨てて必要なものだけ覚えなおせるようにどっかに保存しとこう(Quizletにぶち込む or Onenoteにぶち込む or それも面倒ならスクショしてgoogle photoにsave)ということにしています


あと初期研修医に必要な症例・症候はご丁寧にEPOCというもうちょっとUIどうにかならんかったんかシステムで提示されてますので、これのレポート書きながら対応覚えりゃええんやないかと最近は思ってます。

今日の臨床サポートないし今日の診療プレミアムが使える立場でもあるので調べりゃでてくるってのも本が遠のいてく原因のひとつではあるな...



そんな感じの状況ですがそれでも読んだ・使った本紹介していきます。一つ前の記事に少し被ります
www.no-try-medical.com



救急

できる救急外来


鉄板でした。

あなたも名医~に至っては救急外来で患者来るたび参照してます(忙しくない時は)

できる救急外来を参考にテンプレカルテを作成して、あなたも名医~をみつつ症候から病態を考えて、当直医マニュアルで治療方針を確認する

という流れが自分の中でできてしまいました。

ないと救急が続けられません。


2年目は以下をさらに参考にしたいと思ってます

京都ERポケットブック


あるのに読んでないという...

尤度比や症候での注意点が事細かに載っておりなんでこれ読んでないんだ... と自問自答の日々ですのですぐに読ませていただきます


ものとしてはあなたも名医~が一番近いかな


抗菌薬



このレジデントのためのという文章が必要なのかと思う本ですが第4版になったんですねぇと最近思いました。


これ第3版持ってますが読んでません。すいません。本当にすいません。
もうカラフルじゃないと最初は受け付けないと体がそういってしまってるので自分は以下をまず読みました。

わかる抗菌薬


読んで、Quizletに必須知識は入れました。やはりカラフル。寝転んでまず読める。
まずこれで最低限と。


このあと読もうと思ってるのはこちら

抗菌薬ドリル

やはり抗菌薬は実際演習でやってみないとわからんところあるなぁと思うところです
パラパラ本屋でみたら実践編も良さげだったので時間があればこっちも読もうと思います(時間があれば!)


手引書という意味では定番のプラチナマニュアルを使わせていただいております。

感染症プラチナマニュアル


ただ2021年は発売ちょい遅れるらしいね。そこまで待つかはお好みで。


心電図

読んだのは2つですね

3秒で心電図を読む本


順番はどっちでもいいと思います。
少なくとも1年目はマジやばくねを最低限見落とさないようにすることだと思いますんで。

でも読まないとちょっと大変かもしれないので読むことはしましょう。

自分はあとでレジデントのための~のほうは読み直す予定です。


あと読了したわけではないですが循環器ローテしたときに自分の心電図の読めなさに悲しくなったので以下の本を読み進めています

心電図検定公式問題


最終的には知ってる知らないがものを言う世界だと思いますんで、心電図。

輸液

レジデントのためのこれだけ輸液


第2章までは絶対読みましょう。それだけなら絶対30分もかからないので。


これを読んで輸液を学びましょう。もちろん国試で輸液の問題も出てくるのである程度知識はあるかと思いますが読むと理屈からわかります。

しかしながらどうしても電解質異常のあたりになると「あっ、もういいっす... お腹いっぱい」
となりかねる危険性があります。

危険性はありますが実際働けばわかりますがびっくりするぐらい電解質異常の患者たくさんいるのでやっぱ絶対読んでおいたほうがええで
と思うところです。電解質異常は科関係ないからね。


個人的にはケアネットTVのこの番組もわかりやすいねぇと思いながら見ました。参考までに
carenetv.carenet.com


栄養

おすすめの本がわかりませんが、必要に駆られて手にとったのはこちらです

レジデントノート


わかりやすかったですがすごくおすすめという感じでもなくほかにあるような気がしてなりません。

のでこの程度。 読んだは読んだのでご紹介。

血液ガス

最低限やはりお作法は知っておくべきかと思います。
ということでド安定のこの本

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

読まなくてもまぁそのまま血ガスのデータ読めばその値自体の解釈(高いとか低いとか)はできる気がしますが、この本の特に呼吸のchapterは人工呼吸器の話にもつながる呼吸の話がかなりやさしく書いてある印象でしたし、サクッと読めますので時間あるなら読んだほうがいいかと思います。

入ってる問題解けば血ガスからの疾患の想起ができるかっこいい人になれるかもしれません。

画像診断

積読の民が最も失敗したなと思った項目。

昔々自分は以下のツイートをしました

もちろんこれが悪いってわけじゃないですが、

やはり積読の民。全然読めませんでした... すいません...


実際現場だったらコロコロ転がして見つけるのにそこにドーンと疾患の見えるところのスライスが提示されてもなんだかなと思ったんですよね。

というか画像ドーン、説明ドーンだと10ページ読むと眠くなっちゃって...

ので、画像について本で取得するのを諦めて
ごろ~にゃ先生の不定期で開催している救急画像教室で勉強しました。
twitter.com

不定期でなくても先生のHPでめちゃ勉強にはなりますが、系統だってという意味で課金。

動画で解説していただけるので予備校動画中毒者となった自分にとっては非常にありがたいです。

もし気になるならLINE公式アカウントでも登録してみればいいかと思います。

実際ページ上でコロコロころがして疾患を当てるという作業は画像ドーンの教科書より頭に入るのは間違いないと思います。


エコー

エコーも画像診断と似たところあって、本はあって参照はしましたが最終的には実践と動画に落ち着きました。

とある科のローテで数日エコー技師さんのところで勉強してきてということで超音波検査での精査依頼の患者エコーしまくったおかげでだいぶできるようになったという個人的な事情もありますが、そうでなくてもやはりエコー当ててみないとどうこうできないという印象があります。


そうはいっても当てる前にどうやって当てりゃええんや...と思うのは当然でそうなると実際走査しているところ見たほうがええんやないかと個人的に思うところで参考にしたのは以下2つです。

carenetv.carenet.com
carenetv.carenet.com

エコー技師さんのところでやったときは丁寧に肝の走行を見たりだとか、膵の描出頑張ったりとかしてましたが、最終的にお医者さんはその場でスピーディーにYES or NO を判断できるレベルでエコーを当てれればと思うので
そう考えると上記2つの項目がマスターできれば十分じゃなかろうかと素人ながらに思った次第です。


この2つしっかりできればデキレジなんじゃないでしょうか(根拠はないけど)

ちなみに可能であれば心エコーで推定右室圧も測れるようになるとかっこいいよって循環器内科の先生がいってました。

カルテ


項目は作りました。
しかし、型がつく~を購入はしてますが読まないで、結果的にこれええなの指導医のカルテテンプレをパクっている状態です。

指導医に許可も取ってないのでここに挙げることはないですが、まぁいいやつ使おうねと思うところです。

ひとつだけ思うのはやっぱ各ナンバー(#)ごとにAssesmentは書くべきだなぁとはってのはあります。参考までに

統計

すぐすぐ使うということはないかもしれませんが、勉強しておいて損はない項目
たくゆきじ先生の記事を参考にしつつ読みました。
takuyukiji.com


読んだのはメインは以下2つ

いちばんやさしい医療統計


いまさら誰にも聞けない~は2,3とありますが2は学生時代の公衆衛生で学んだ部分が多かったため(回帰分析とかは別として)、基本的には1を読みました。3は後で時間あれば読もうかな程度です。

いまさら誰にも聞けない~ 第1巻はめちゃくちゃわかりやすくP値なり信頼区間なりを説明していますので、これもうわかんねぇなっていう自分のような人間には非常にありがたかったです。


いちばんやさしい医療統計は勉強にはなりますが、たくゆきじ先生の記事にも言及があった気がしますが、いちばんやさしくはないです。

いまさら誰にも~を読んでないと詰みますので最初に読む本ではない印象です。
逆にわかっていると非常に理解しやすい本だなぁとは思いました。前提があれば。

とにかく分散分析はすげぇってことはわかった次第です。



ちなみにあとで『今日から使える医療統計』も読む予定です。

その他

分類できなかったもの置いときます

内科レジデントの鉄則

must buy。
とりあえずわかんないことあったらこれでまず探せの本。

絶大な信頼感があります。ただ読み切ったという感じではないのであとでしっかり読み込みます。


参考までに以下のような本も買いまして使ったりはしましたが、わかりやすさは内科レジデントのほうが軍配上がる印象です(一概に比較できる本では無い気がしますが)

異常値の出るメカニズム


最近めちゃくちゃ見てる本です。
自分が持ってるのは6版ですが血液検査でこれだけ上がってるけどなんで??ってときなんかに参照します。
他の本でもいいとはおもいますが、自分が持ってるのはこれなのでこれをご紹介。

まとめ


以下今回紹介した本=さすがに読んだ本一覧です
あなたも名医!もう困らない救急・当直 当直をスイスイ乗り切る必殺虎の巻! ver.3/日本医事新報社/林寛之

当直医マニュアル 2021 第24版/医歯薬出版/井上賀元

できる救急外来 カルテを使えばうまくいく /医学書院/天沢ヒロ

京都ERポケットブック /医学書院/洛和会音羽病院救命救急センター

わかる抗菌薬 /医学書院/天沢ヒロ

感染症プラチナマニュアル 2020 /メディカル・サイエンス・インタ-ナショナ/岡秀昭

レジデントのためのこれだけ心電図 /日本医事新報社/佐藤弘明

3秒で心電図を読む本 /メディカルサイエンス社/山下武志

心電図検定公式問題集&ガイド 受検者必携!2級/3級 改訂3版/メディカ出版/日本不整脈心電学会心電図検定委員会

レジデントのためのこれだけ輸液 /日本医事新報社/佐藤弘明

栄養療法がわかる!できる! プレゼンのカリスマから学ぶ基本知識と症例問題で身に /羊土社/泉野浩生

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分 /中外医学社/田中竜馬

いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ 第1巻 /アトムス/浅井隆(医師)

いちばんやさしい医療統計 徹底図解 /アトムス/吉田寛輝

内科レジデントの鉄則 第3版/医学書院/聖路加国際病院内科チーフレジデント

異常値の出るメカニズム 第7版/医学書院/河合忠



色々書きましたが、最終的になにか読む上で人の意見は参考になりますがその人に合う合わないは当然あるはずなので一度本屋などで中身見てから買うことはおすすめします。


2年目は本もっと読みたいなぁと、そう思う次第です。